2010年12月22日

きっかけ その二 欽ちゃんとナヴァラとドヴォコン

チェロをはじめたきっかけの「その二」。
   (「その一」コチラ→) 

体調が悪くて寝込んでいたある日、
手持ち無沙汰に、なんとなく、
録画していたビデオでも見ようと、

もう10年以上前のものだったか、かなり前の「欽ちゃんの仮装大賞」の録画をなんとなく見ていた(一時期はまっていたもので)。

番組は途中から録画してあった。
その途中から見始めて、
番組が終わって、CMが入って、そのCMの途中で録画が切れると、
下から、その前に録画していた映像にビヨ〜んときりかわった。

(最近はみんなデジタルだからこんな”重ねどり”なんてことはなくなったなあ…)

白黒の画面で、チェロとピアノのデュオ、ちょうど何かの曲の最後の部分をやっていた。
それが終わると、やはり白黒の映像で、風貌がしぶ〜いチェリストによる、まるで交響曲のようなチェロ協奏曲が始まった。

その曲がすごくかっこよく、
そのチェリストがまた渋くてかっこよく、
「おれもチェロを弾けるようになってみたいなあ」としみじみと思った。

チェロという楽器の存在はもちろん知っていたが、
「自分で弾いてみたい」と思ったのはこの瞬間だった。



・・・


後から知ったのだが、
「欽ちゃんの仮装大賞」の下であやうく全部消されかかっていた番組は
かなり前に放映されたNHKの『20世紀の名演奏』であり、
チェロ協奏曲はドヴォルザークの協奏曲の第3楽章の後半であり、
チェリストはアンドレ・ナヴァラだった。

まさかないだろう、と思ってダメもとでyoutubeで検索したらなんとその時の映像があった!
こりゃうれしい。 コチラ→
   

ちなみに、その前のナヴァラが出てくる前にちょろっと出ていたのは、
チェリストがカサドで、曲は最近になるまで知らなかったのだが、ボッケリーニのイ長調のソナタだった。

今から思うと、『欽ちゃんの仮装大賞』を最初から録画していたら、もしくは終わったあとも停止ボタンを押さずにいたら、このナヴァラのドヴォコンには出会えていなかったわけで、そうだったら今の人生もかなり変わっていることだろう。

つくづく偶然って面白い。


ちなみに、上のようなことがあった直後は、てっきりブラームスが作った曲だと勘違いして、
CD屋に行って探すも一向に”ブラームスのチェロ協奏曲”が見つからず、
「こんな名曲なのになぜCDがないのだろう」とぶつぶつと連れ合いに不満を言っていたことを覚えている。

ブラームスはこの曲を聴いた直後「こんな素晴らしい曲ができることを知っていれば自分が作ったのに」と悔しがったというようなエピソードをあるらしく、それを後から知ったときはちょっともうしわけなく感じた(笑)。


まあ、しかし、この映像何回見たことか。

あんまりしつこく繰り返して見たせいか、いわゆる「すりこみ」がおこる。

CDで最初に手に入れたのがロストロとカラヤンの有名なやつ。
またちょうどその頃、N響アワーでマイスキーのドヴォコンもあったが、いずれも「なんか違うなあ」と思った。「すりこみ」おそるべし。

その後、ナヴァラ自身のドヴォコンのCDも手に入れて聴いたが、やはり「なんか違う」と(苦笑)。「すりこみ」おそるべし(笑)。

まあそれはともかく、
今あらためて観てみて思うのだが、
この時のナヴァラは本当によく指揮者やオケを見ているのだ。ヨーヨーマ並だ。
それがすごく印象的。
「ああ、この人は自分勝手な演奏をしない人なのだな」と。
そんなことも最初に見たときにカッコイイと感じた要素のひとつだったのかも知れない。

もともとバンド人間だから、演奏中のアイコンタクトがない、とか、それぞれ勝手に自分の世界に浸ってしまっているような演奏が好きではないのだ。

まあ、ひょっとしたら、その時、”音が聞こえないような音響だったから”とか、”指揮者に不安を感じていたから”とかかもしれないが…(笑)。


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posted by たこすけ at 00:00| Comment(7) | TrackBack(0) | チェロ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
なるほどね、・・すりこみって確かにありますよね。最初に聞いて感銘を受けると、どうしてもね。
ところで、ドボコンを聴いて「かっこいい」と思った・・って、「かっこいい」ってもう少し掘り下げるとどういう事なんでしょうね。音楽から受ける感銘は色々複雑で、ともかくひとことで「美しい」とか「かっこいい」とか言うけど、私は分析したくなる(^_^)そのかっこよさとは何に似てるか、何に喩えられるか、どんな姿勢なのか・・・どんなことを意味しているのか・・
 私の場合は、カザルスのドボコンの冒頭の一音がすべて。かっこよいというより、雷が落ちて感電したような感じでしたが・・禅の修行で高僧の「一喝」を受けたのと同じでしょう。あとから色々意味づけしたものです。このことは生涯忘れることはないでしょう。
 ただ、楽器を始めるにも何となくという人が大多数のようで、たこすけさんや私のようなケースは少ないと思います。
Posted by goshu at 2010年12月22日 14:14
すりこみ、あります。
私がチェロをするきっかけになったのは、
カザルスのホワイトハウス・コンサートでした。
メンデルスゾーンのトリオの冒頭をきいて、
「チェロを弾こう!」と。
それから始めるまで10年くらいかかってしまいましたが、
今でもこの曲、ほかの録音だとどうしても違和感を感じてしまいます。

ご紹介のナヴァラのドヴォルザークも素晴らしいですね!
「かっこいい」というか、
「頼もしい」というか、
「たくましい」というか、
「男らしい」というか、
そういう印象をうけます。
Posted by ククーロ at 2010年12月23日 15:10
goshuさん、こんばんわ。

>「かっこいい」ってもう少し掘り下げるとどういう事なんでしょうね

色々考えたんですが、結局は曲の素晴らしさとナヴァラの立ち居振る舞い(?笑)ですかね。
あと、やっぱり音に惚れたのかもしれません。60年代のしかもモノラルの録音で、実際に聴こえていた音とは違う音なのかも知れませんが、でもこの音は僕にはとてつもなく美音に聞こえます(最近のN響アワーでやられるコンチェルトなどで聞かれる音よりも好きな音質です)。

(続く)
Posted by たこすけ at 2010年12月23日 23:48
あと、ちょっとオタクっぽいのですが、
ビデオでは5分過ぎのところ、
F#で伸ばす音、楽譜で見るとフォルツァンドになっているのですが、この時の演奏ほど見事にかっこよくフォルツァンドがついている演奏もないんじゃないかと思います。
ただ、映像で見ても一体どうやってアクセントを付けているのかよく分からないんですが。
とにかくこの部分が大好きで、他の人の演奏を聞いてもどうしてもこの部分を比較してしまうんですよね。

あとその後の高音でビブラートかけまくりで切々と歌うところとか。

コメントに刺激されてまた何度となく見返したりしたのですが、結局は、惚れた弱みというか(笑)、どこが良かったかというのを人に説明するのはかなり苦労します。
Posted by たこすけ at 2010年12月23日 23:53
ククーロさん、こんばんわ。

>カザルスのホワイトハウス・コンサートでした。
>メンデルスゾーンのトリオの冒頭をきいて、
>「チェロを弾こう!」と。

こりゃまた名盤ですね。
僕もこの時の演奏(というか、カザルスの音が)好きです。

ナヴァラ、いいでしょう(笑)。
youtubeで見ると、真横にロストロ氏のやはり白黒のドヴォコンがあって、同じ3楽章の同じところなので聴き比べもできて、これがまた興味深いところです。
僕にはロストロはソリストというよりも指揮をしているように思われます。「俺についてこいっ」って明らかに言っています(笑)。
それに比べるとナヴァラはオケに合わせながら弾いているような。
二人の性格の違いも出ているような気がして、微笑ましく感じます。

Posted by たこすけ at 2010年12月24日 00:05
ナヴァラに数年習った人の話では、ナヴァラの音は決して美音ではなく、近くだと凄くノイズが多いらしいです。ただ、演奏となるとそんなことは気にならないし、何よりとてつもなくハートの大きな暖かい人だそうです。でも、レッスンは厳しく、特に弓先の訓練はキビシク、難しいエチュードを、他の曲のレッスンの筈なのに、いきなり弾かされたりするので、普段から油断なく?練習しておかないといけなかったとのこと。
YouTubeでも見られるけど、ボーイングレッスン、「死人の手」、あれも実際にレッスン受けると弓が持てなくて演奏中に弓を落としたり情けない経験を経て、出来るようになると、普通の当たり前の事だそうです。弓の持ち方の動画見ても何がそんなに大事なのか2回も繰り返すほど大事なのか分かりませんね。弓元でのターンは勉強になりました。
Posted by goshu at 2010年12月25日 12:56
goshuさん、こんにちわ。
貴重な話をどうもありがとうございます。

>ナヴァラの音は決して美音ではなく、近くだと凄くノイズが多いらしいです。

バッハの無伴奏のCDの音は結構ざらついた音です。かなりオンマイクで録っているんじゃないかな。youtubeの映像での音ともかなり違う印象なのでなんでだろうと不思議に思っていたのですが、なるほど、そういうことだったのでしょうか。

youtubeのレッスン映像ですよね。僕は外国語がよく分からないのでまだちゃんと見ていないのですが、見てみようと思います。
Posted by たこすけ at 2010年12月26日 16:40
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